マイクロソフトと日本の広告業界の雄たる博報堂とが手を組んだ新しいデジタルサイネージが発表されています。
ズバリ、その名も「Face Targeting AD(フェイスターゲティング・アド)」
これまでにないデジタルサイネージのかたちの提案はどのようなものなのでしょうか?
Face Targeting ADとは?
Face Targeting ADは、一見すると鏡のようにしか見えないデジタルサイネージのデバイスです。
その鏡の前に立ったユーザーの顔をカメラが検知、認識し、性別や年齢、表情のパターンなどを自動判別します。
その結果として「ユーザーが求めているだろう情報」を鏡に映った顔にはめこむようなかたちで表示します。
年齢や性別、そのユーザーの表情パターンなどによって広告内容を表示し分けられるだけではなく、ユーザーの顔情報を取り込むことによるインタラクティブ性も楽しめる広告となっています。
具体的には?
一例としては、中年の男性が鏡の前に立った場合、Face Targeting ADはヒゲソリを提案してきます。
男性の顔をデータとして取り込み、男性の顔にヒゲを表示して、そのヒゲをヒゲソリが剃ってくれる、という映像による広告を行ってくれるのです。
これが女性であれば新しい口紅の広告であったりするというわけです。
自分に何が提案されるのかなと思うだけでも楽しい広告でしょう。
どんな技術?
Face Targeting ADにはマイクロソフトのコグイニティブサービスが利用されており、これまでにも様々な局面で使われてきた「Face API」 や「Emotion API」なども使用されています。
Face Targeting ADのメリットとは?
Face Targeting ADの最大のメリットは、これまでのデジタルサイネージなどのアウトドアメディアの弱点とされていた「どのようなユーザーにどれだけの回数リーチしたのか」の取得が確実にできることです。
ユーザーの年齢や性別などをほぼ確実に把握できるため「20代の女性20人にリーチした」「50代の男性30人にリーチした」などの情報を把握することができます。
またそれらの人物の状態もある程度までは把握できるため(たとえばヒゲの男性である、だとか、疲れた表情を浮かべた女性であるだとか)商品のターゲットへの訴求がこれまで以上に容易になっています。
広告に接したユーザーの表情も把握できるため、その広告がそのユーザーにとってどのような印象を与えたかまでも自然に取得できるというのは、これまでの広告から考えれば圧倒的なメリットでしょう。
新たなテクノロジーが新たな発想と巡り会い、新たな時代を造り出してゆく。
その局面にわたしたちは立ち会っているのかもしれません。
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