GUがいよいよデジタルを活用した「新しいファッション体験」の提供を開始しました。専用のサイネージとスマホアプリを使って自分アバターを作成、自由に着せ替えを楽しむというものです。そのアバター情報を持ち帰って、買いたい時に服を買い、受け取りたい時に受け取るという、今までにない体験はどのような反響を呼ぶのでしょうか。その詳細や仕組みについてお伝えします。
専用デジタルサイネージとアプリで自分アバターを着せ替え
GUが2018年11月30日、原宿に出店した次世代店舗「GU STYLE STUDIO」が話題になっています。その理由は、専用のデジタルサイネージとスマホアプリを使って実現した自分アバターによる試着と、店舗で試着をしても手ぶらで帰れるという「新しいファッション体験」です。
アバターで何着でも試着が楽しめる気軽さや、普段なら挑戦しない服を着せてみるという楽しさ、気に入った服をその場で購入せずにオンラインで注文し、指定の場所で受け取れるという便利さなどが特徴といえます。
店舗のサイネージとスマホでそれぞれの機能
店舗では、4台あるGU専用のサイネージ「GU STYLE CREATOR STAND(ジーユースタイルクリエイタースタンド)」と新公式アプリ「GU STYLE CREATOR(ジーユースタイルクリエイター)」を、それ以外の場所ではアプリを使用します。
サイネージには撮影機能があり、その場で撮った自分の顔写真を利用してオリジナルアバターを作成します。作成時間は十数秒です。画面に映し出される自分アバターには、アウターとトップス、ボトムス、ワンピース、インナーを合わせることができ、後ろ姿や色違いもすぐに変更可能、気に入ったものはお気に入りに登録することができます。
その試着情報を持ち帰るのに使うのがスマホです。店舗を出た後もアバターの変更は一部可能で、ヘアスタイルとアクセサリが対応しています。一緒に服を買いに行った人と、店舗外でもアバターを見ることができ、気に入ったアイテムはスマホアプリ上のオンラインストアからいつでも購入することもできます。
服を買って手ぶらで帰宅を実現させたGUの狙い
まずは店舗内を見て回り、お気に入りのアイテムを見つけ、各アイテムについているQRコードをスマホアプリで読み込みます。そのQRコードの情報がサイネージに映し出される自分アバターの着せ替えアイテムとして表示され、店舗を離れてもオンラインストアからの注文が可能です。
アパレル業界はつねに流行との闘いで、売れ残った在庫処理問題に悩まされています。販売に至るまでの顧客の興味関心をデータ化することは在庫管理や商品開発の要といえるでしょう。訪れた店舗ですぐに買うのではなくネット注文に誘導することもまた、在庫管理や人員配置の改善に役立つことが期待されています。
今回のGUのデジタル戦略は、GUがターゲットにしている30代前半までの若い世代を意識したものです。生まれたときからスマホがあるという世代には、自分アバターで着せ替えを楽しむというゲーム感覚が、エンターテインメントのひとつとして好意的に迎えられていくことでしょう。
顧客はもちろんのことGUにとってもプラスになる今回のデジタル戦略は、今後のアパレル業界の羅針盤となる可能性が高いです。「オンラインとオフラインをつなぐ次世代店舗」と銘打った原宿店の動向が注目されます。
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