JR九州エージェンシー株式会社は、2018年春にJR博多駅に国内最大の大型有機ELデジタルサイネージを導入、運営開始することを発表しました。
これは、LGグループと大日本印刷株式会社(DNP)が共同で開発したもので、高画質で引き込まれるような迫力のある表現が話題のもの。
昨年、東京都品川区のDNP五反田ビルのショールームにデモ機が設置され、活用が期待されてきたものです。
ここでは、2018年春に登場する博多駅のデジタルサイネージについてご紹介します。
来場者を引き込む3つの特徴
今回導入される大型有機ELディスプレイの特徴は、大きく3つあります。
1つ目は、見た目にも明らかなその曲面です。
通常の液晶パネルなどと比べて0.97mmと薄く、1枚約2㎏と軽い特殊なパネルを36面つなぎあわせることで330インチ(縦約4m×横約7m)の大画面を実現。平面では体感できない臨場感を味わうことができます。
2つ目は、有機ELならではの高いコントラストと引き締まった黒の表現です。
これまで表現の難しかった「漆黒」が実現されることで、深みのある映像表現が可能になりました。
そして3つ目に紹介する最大の特徴は、顔認証カメラの導入による参加型イベントへの実用性です。
サイネージを見た来場者の男女比、年代、滞在時間などの情報を収集し分析することで、広告効果の測定を行うことが可能になりました。
なお、個人情報保護の観点から顔画像の保存はしないとのことです。
交通拠点として魅力ある駅へ
JR九州エージェンシー代表取締役社長の小濱和彦氏は「デモ機を見せていただいた時に、その美しい色彩と迫力に驚嘆し、交通媒体でできればいいなと思った。
まだ日本では導入されていないと聞き、トップバッターで導入できないかと熱望していた。」とコメント。
また今回の設置にともない、すでに設置されていたデジタルサイネージも増強。
九州の玄関口であり、交通の拠点として国内外から多くの人が訪れる博多で、新しいコミュニケーションメディアが活用されることは、駅全体での「おもてなし力」のアップになると注目が高まっています。
企業協力によって新たな展開を期待
今後、オリンピックやラグビーワールドカップなど、日本に多くの外国人観光客が訪れる機会がありますが、そこでサイネージを活用した映像によるコミュニケーションは大いに活躍が期待されます。
今回の導入には耐荷重や耐震など多くの課題があったものの、各社がそれぞれの立場で協力することでクリアできたと関係者は言います。
広告やマーケティグ、技術、そしてその受け入れ先となる企業や自治体、店舗などが協力し、先端技術を生かしていくことでより価値ある体験が生まれ、多くのお客さまにインパクトを与え記憶に残るものとなるでしょう。
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